三叉神経痛専門外来について

三叉神経痛は比較的よく知られた病気ですが、実際には診断が難しいことも少なくありません。

三叉神経痛によく似た病気も多く、正確な診断のためには詳しい問診と診察が必要です。

また、痛みの性質や経過、薬の効果などを丁寧に確認することが治療方針の決定に重要となります。

そのため当外来では、初診時には十分な時間を確保し、一人ひとりの患者さんのお話を伺うよう心がけています。

さらに、手術で改善する三叉神経痛の中には、典型的な電撃痛に加えて持続的な鈍痛を伴うものもあります。そのため、診断には手術経験だけでなく、数多くの患者さんを診察してきた経験も重要になります。

私たちは三叉神経痛に悩む方だけでなく、三叉神経痛かどうか心配している方のために専門外来を開いています。

このような症状でお困りではありませんか?

  • 洗顔や歯磨きで顔に激痛が走る
  • 食事や会話で痛みが誘発される
  • 歯科治療を受けたのに痛みが続いている
  • 三叉神経痛と言われたが、本当にそうなのか不安
  • 薬を飲んでいるが十分な効果が得られない
  • 薬の副作用で困っている
  • 手術が必要か相談したい
  • 他院で手術やガンマナイフ治療を受けたが再発した

このような症状でお困りの方は、一度ご相談ください。

典型的な三叉神経痛とは

典型的な三叉神経痛は、

  • 数秒〜2分程度の短時間発作
  • 電撃痛、刺すような痛み
  • 洗顔、歯磨き、会話、咀嚼などで誘発
  • 発作間欠期は無症状
  • 神経学的異常所見なし

が特徴です。

これらの特徴に当てはまらない場合には、三叉神経痛以外の病気も考える必要があります。

三叉神経痛に似た病気はたくさんあります

三叉神経痛に似た症状を起こす病気には、歯や副鼻腔の病気から神経の病気、脳腫瘍までさまざまなものがあります。

当外来では以下のような病気との鑑別を行っています。

① 歯科・口腔疾患
② 三叉神経ニューロパチー
③ 帯状疱疹関連痛
④ 群発頭痛
⑤ 三叉神経・自律神経性頭痛
⑥ 持続性特発性顔面痛
⑦ 舌咽神経痛
⑧ 腫瘍による二次性三叉神経痛
⑨ 多発性硬化症関連三叉神経痛
⑩ 副鼻腔炎

外来でこれらを適切に見分けるためには、詳しい問診や画像検査が必要になります。

三叉神経痛の診断はMRIだけで決まるものではありません。痛みが起こる状況や持続時間、薬への反応、これまでの経過など、多くの情報を総合して診断します。

そのため当外来では、初診時には十分な時間をかけて診察を行っています。

三叉神経痛を適切に診断するためには、手術の豊富な経験だけではなく、診察自体の経験も重要であると私たちは考えています。

投薬治療について

三叉神経痛の治療は、通常まず投薬治療から始まります。最も効果が期待できるのはカルバマゼピンです。しかし、カルバマゼピンは副作用が多い薬剤でもあります。患者さんの体格や年齢を考慮しつつ、副作用出現に配慮した診察頻度が重要です。アレルギー(薬疹)が生じた場合の対応については、当科では当院皮膚科と連携して治療を行うことが可能です。

カルバマゼピンが使用できない患者さんには、他の投薬を試すこともできます。単剤治療を行うか、併用治療を行うかなど、投薬治療では、患者さんごとの病状や副作用に応じて薬剤を選択することが重要です。

神経ブロック治療、高周波熱凝固療法について

神経ブロックや高周波熱凝固療法は、体への負担が比較的少ない治療法ですが、再発や顔面のしびれが生じる可能性があります。当院では根本的な治療を目指す微小血管減圧術を中心に行っていますが、患者さんの年齢や全身状態に応じて、これらの治療法についてもご説明しています。当院では院内のペインクリニックと連携して治療を行うことが可能です。当科の外来でもどんな治療か、効果や合併症についてご案内させていただくことができます。

ガンマナイフ治療について

三叉神経痛に対する治療法のひとつに、ガンマナイフ治療(定位放射線治療)があります。

ガンマナイフ治療は頭を切らずに行う治療で、三叉神経に対して高精度の放射線を照射することで痛みを改善させます。全身麻酔や開頭手術を必要としないため、高齢の方や全身状態の問題で手術が難しい方にも行うことができます。

一方で、効果が現れるまでに数週間から数か月程度かかることがあり、また長期的には再発する場合もあります。さらに、治療後に顔面のしびれが生じることがあります。

三叉神経痛に対する外科治療としては、微小血管減圧術が最も根本的な治療法と考えられていますが、患者さんの年齢、全身状態、既往歴、ご希望などによっては、ガンマナイフ治療が適した選択肢となる場合もあります。

当院ではガンマナイフ治療は行っておりませんが、治療が適していると判断した場合には、十分にご説明したうえで、信頼できる専門施設へご紹介しております。これまでも多くの患者さんをご紹介し、連携して診療を行っております。

特に高齢の方、開頭手術を希望されない方、全身状態の問題で全身麻酔のリスクが高い方では、ガンマナイフ治療についても積極的に検討しています。

まずは外来で診察を行い、患者さん一人ひとりに最も適した治療法をご提案いたします。

手術治療について

手術の具体的な方法については「三叉神経痛・顔面痙攣」のページに記載しております。ここまでにあった、投薬治療やその他の緩和治療についての説明をした上で、手術治療について説明させていただいております。

三叉神経痛は命に関わる病気ではありません。しかし、日常生活や精神面に大きな影響を与えることがあります。

私たちは、患者さんご自身が十分に納得したうえで治療を受けていただくことを大切にしています。

他院で「手術は難しい」「もう治療法がない」と言われた方も、一度ご相談ください。再発例や難治例についても、これまでの経験を踏まえて治療方針をご提案いたします。

セカンドオピニオンとしての受診も歓迎しております。また、より適切と考えられる場合には、経験豊富な他施設の専門医をご紹介することも可能です。